ウェブ上には広告が数多く掲載されています。
広告の運用を行なうときに重要となるものがCPCであり、費用対効果を上げることを意識しながらCPCの調整を行なっていきたいです。
今回はCPCとは具体的に何なのか、その仕組みや計算方法、費用対効果を上げるコツなどについて解説します。
Contents
CPC(クリック単価)とは?仕組みや計算方法について
CPCとは何を意味するのでしょうか?
どのような仕組みになっているのか、またCPCの計算方法についてご紹介します。
CPC(クリック単価)とは
CPC(クリック単価)とは、「Cost Per Click」の頭文字をとった言葉で、日本語ではクリック単価と呼ばれています。
ウェブ上に存在する広告を1回クリックするごとに発生する費用であり、クリック課金型と呼ばれる種類の広告において発生するのが特徴です。
CPCの仕組みについて
CPCはオークション形式で決まるものであり、キーワードによって数十円から数千円までと費用にも幅があります。
CPCが発生する主なものにリスティング広告が挙げられますが、競合他社とのオークションで決定し、ビッグワードについてはCPCが高くなる傾向にあります。
CPCはキーワードの内容だけでなく、広告が表示される位置もオークションで決定されるのが特徴です。
入札単価・品質スコア・広告表示オプションの3つの点から広告ランクを決定したのちにCPCが決まってきます。
広告ランクは、品質スコア×入札単価+広告表示オプションという式で計算できます。
広告ランクを意識して高めていくことで、費用対効果を最大化することができ、反対に高いクリック単価を提示すると費用が多く発生しますが簡単に上位表示が可能となっています。
CPCはキーワードプランナーなどのツールを活用することで、確認が可能です。
どのようなキーワードに需要があるのかをリサーチし、調整していくことが大切となります。
媒体によってもCPCの傾向が変わる
GoogleやYahoo!などウェブ検索が可能な媒体がいくつかあるなかでも日本で利用されることの多いGoogleとYahoo!ですが、CPCはYahoo!の方が少し安くなる傾向にあります。
媒体の規模やその他外部要因が関係し、CPCに差が生じているのです。
広告の種類によってCPCが変わる場合もあるため、それぞれの媒体においてのクリック単価を確認しておくと、より効率よく対策ができるでしょう。
CPCの計算方法
CPC(クリック単価)は、ツールを使って調べることができます。
需要のあるキーワードをチェックする際、合わせてCPCについても確認してみましょう。
CPCはクリック数によって生じた広告費の総額をクリック数で割って計算します。
キーワードプランナーを利用すると簡単に調べることができるため、ぜひツールの詳細を確認してみてください。
上限クリック単価について
CPCについて見ていると、上限クリック単価という言葉を見かけます。
上限クリック単価とは、1回のクリックに対して広告主が支払うことができる金額です。
上限クリック単価を500円に設定したとしても、実際に200円や300円で入札することが可能です。
あらかじめ決められている上限クリック単価を超えることはないため、予算の目処が立てやすいというメリットがあります。
一方、上限クリック単価が設定されることで入札の単価が下がり、他社よりも下部に掲載されてしまうという注意点もあるため気を付けましょう。
CPCが高いまたは安い理由とは?
CPCはキーワードによって単価に幅があります。
では、なぜCPCには高いものや低いものがあるのでしょうか?
その理由を見てみましょう。
CPCが高くなる理由
出稿したキーワードですでに競合が多く存在する場合、CPCは高くなります。
上位に掲載されるよう入札額を上げることで、CPCが高くなっていくという流れです。
一方、CPCを高く上げればその分効果が期待できるものの、費用対効果が良いとはいえません。
CPCの仕組みを理解し、事前に分析を行なったうえで広告出稿することが大事なのです。
CPCが安くなる理由
次に、CPCが安くなる理由を見てみると、競合が少ないという点が特徴として挙げられます。
競合が少ないと聞くと穴場のように思われますが、広告を出しても誰にも検索されず見てもらえない広告となり意味がないパターンがあるので注意が必要です。
慎重に見極めて、広告出稿するかを検討しましょう。
また、スマートフォンでウェブ検索をしているときに見られるものとして、誤ったクリックが多い点が挙げられます。
ユーザーが誤ってクリックしてしまったという状況であり、広告に関心があったわけではないということが考えられるのです。
CPCを下げる方法とは
オークション形式で決まるCPCは、高く設定するほど上位に表示されます。
しかし、これでは費用対効果が表れません。
そこで、CPCが下がった状態を維持しつつ、上位に表示させるためのポイントを押さえておきましょう。
CPCを下げつつ上位表示を狙うためには、品質スコアを上げることが大切です。
品質スコアは、広告の関連性・推定クリック率・ランディングページの利便性という3つの点から決まり、それぞれについて理解し、正しく対策を取る必要があります。
3つの点について、もう少し詳しく見てみましょう。
広告の関連性
広告の関連性とは、ユーザーの検索意図と広告の内容が一致しているかどうかを示します。
内容を一致させ関連性を持たせるためには、広告文のタイトルにキーワードを含めることが重要です。
ユーザーのためになる情報を提供するというGoogleの考えのもと、広告文にもキーワードを盛り込むようにしてみましょう。
ユーザーにとって意義のあるページであると判断され、上位表示を狙うことができます。
推定クリック率
広告が表示されたときにクリックされる確率を示したものが、推定クリック率です。
競合と比較し、クリック率の高さも調べることができます。
競合が数多くあるなかから自社のページをクリックしてもらうためには、広告文の内容や商品・サービスの魅力がポイントとなります。
掲載順位によって推定クリック率が下がってしまうように思われますが、正規化という処理がなされている関係上、順位が変動しても推定クリック率にはあまり影響がありません。
ランディングページの利便性
出稿されている広告は、クリックするとランディングページに飛ぶことが多いです。
その表示されるランディングページにおいて、ユーザーに的確な情報を届けられるか内容を精査することが大事です。
パソコンだけでなくスマホであっても見やすい画面になっているか、読み込み時間が遅くないかなどを確認し、ユーザーにとって満足できるランディングページを整えましょう。
ユーザーが多くクリックしているランディングページである場合、Googleからも評価されやすくなります。
CPCで費用対効果を上げるコツ
広告を運用していくなかで、最小のコストで利益を最大限に出すというのが大きな目的になるでしょう。
クリック単価を高くすると上位表示が可能となりますが、費用対効果を考えるとあまりおすすめできません。
そこでここでは、最低限のコストで最大限の利益を出すための方法について解説します。
競合が広告を出稿しているかチェック
最初に、競合が広告を出稿しているかどうかを確認します。
実際にキーワードを入力し検索してみることで、競合が広告を出稿しているのか調べることが可能です。
すでに競合が数多く出稿しているキーワードにおいては、自らも広告を出稿し、利益につながるようにしたいです。
反対に、競合が広告を出稿していない場合は、そのジャンルにおいて意味がない、または競合が広告出稿に気づいていないといった理由が挙げられます。
競合の出稿有無を調べたうえで準備を進めることが大切なのです。
出稿している競合を分析する
競合が出稿しているかどうかの確認が完了したら、次にその競合を細かく分析していきます。
競合がどのようなキーワードで広告を出稿しているのかを調べ、ABテストを繰り返しながら分析を続けていくという流れが一般的です。
競合の動きを調べることで、自社が広告を出稿する際にも参考にできます。
競合の分析を行なう際は、キーワードだけでなくディスクリプションの内容や遷移先のランディングページなども確認してみましょう。
ユーザーのニーズを理解する
CPCの費用対効果を上げるためには、競合の分析と合わせてユーザーのニーズも理解することが大切です。
ユーザーがウェブ検索をしたときに検索結果に表示されるのが広告でもあるため、ユーザーの目に留まる機会が多くなります。
ユーザーのニーズを調べるためには、Googleサジェストのデータを活用するのがおすすめです。
ユーザーがどのようなキーワードで検索しているのかを知ることができ、広告出稿にも役立てることができます。
キーワードはキーワードマップなどの専用ツールを使って調べることもできるため、効率よく広告出稿を行なうために活用してみてください。
キーワードの選定を慎重に行なう
競合のリサーチを行ないつつユーザーのニーズを理解することで、どのようなキーワードがユーザーに需要があるのかが見えてきます。
自社が出せる予算と、競合・ユーザーニーズの分析結果から出稿するキーワードを決めてみましょう。
除外キーワードの設定
キーワードの選定を慎重に行なっていくなかで、除外キーワードの設定もしておきましょう。
このキーワードでは広告を表示しないというのが除外キーワードであり、関連性の高いキーワードで調べられたときにのみ広告を表示させることができます。
関連性が薄いとされるキーワードでは広告を表示させないよう設定しておくことで、CPCの費用対効果を高めることができます。
スマートフォンでも見やすいように整える
ユーザーは、パソコンだけでなくスマートフォンを使ってウェブ検索することが多いです。
最近では、スマートフォンを使ってインターネットを利用する人の方が多いとも言われるようになりました。
そこで、CPCについて検討する際、スマートフォンでも見やすい広告を意識することが重要です。
スマートフォンはパソコンに比べて画面が小さく、指でタップして操作することになります。
ユーザーにストレスがかからないよう、タイトルやディスクリプションの長さなどに注目してみましょう。
CPCの最適化を図るポイント
CPCの最適化によって、より効率よく広告の出稿が可能となります。
CPCの最適化を図るために必要な方法やその流れなどについて、ポイントを押さえてみましょう。
広告クリエイティブの最適化
検索窓にキーワードを入力して検索した場合、広告の箇所にそのタイトルとディスクリプションが表示されます。
この部分を広告クリエイティブとし、その内容を精査して最適化を図ってみましょう。
広告クリエイティブの部分は、地域やキーワードのジャンルによって記載されている内容が様々です。
効率よく調査し、競合のなかでも自社のページが上位に表示されるようにしてみましょう。
広告クリエイティブを調査する方法は、以下の手順で進めてみてください。
- キーワードに関する関連キーワードはツールを使って洗いだす
- シークレットモードでGoogleを立ち上げ、出稿を考えているキーワードで検索してみる。競合がどのようなタイトルやディスクリプションで広告を出稿しているかを確認し、コピーする。
- スプレッドシートなどを活用し、広告クリエイティブの情報をまとめていく。
- 共通している部分、またオリジナルのキャッチコピーなどを探す。
競合のキラーワードを反映
競合の広告クリエイティブを調べると、共通のワードや表現を目にすることがあるでしょう。
これらの言葉はキラーワードと呼ばれ、ユーザーの心に響く言葉である可能性が高いです。
完全にコピーするのではなく、重要と思われる言葉は自社の広告出稿の際にも取り入れていきたいです。
キーワードの種類によって、キラーワードは異なります。
慎重に調べ、自社で広告出稿する際にユーザーの目に留まるよう、文言の中に含めてみましょう。
CPMやCPA、PPC、CTRとは?CPCとの違い
CPCについての情報を見ていると、似たような言葉にCPMやCPAなどがあることもわかります。
では、これらはCPCとはどのように違うのでしょうか?
それぞれの特徴について、簡単に解説します。
CPM
「Cost Per Mille」の略称で、インプレッション単価とも呼ばれています。
CPCは1クリックごとの単価を示していましたが、マイルと記載がある通りCPMは1,000回表示されるごとのコストを意味しています。
CPA
続いて、CPAの特徴について見ていきましょう。
「Cost Per Acquisition」の頭文字を取った言葉で、直訳すると顧客獲得単価と表すことができます。
1コンバージョンの獲得にかかった費用を指しているのが特徴です。
PPC
「Pay Per Click」を指すPPCは、クリックごとに料金が発生する課金のシステムを意味します。
CPCはクリックあたりの単価でしたが、PPCはクリックごとに料金が発生するのです。
一方、CPC広告・PPC広告と呼ばれるときは、どちらもクリック課金型の広告を指します。
CTR
「Click Through Rate」の頭文字を取ったCTRは、クリック率を指します。
表示された広告の回数のうち、どれくらいクリックされたかを示す割合です。
CPCで費用対効果を上げていくため、CTRを計算し、参考にすることができます。
CPO
「Cost Per Order」の略語であるCPOは、1成約あたりの費用を指します。
CPAが1コンバージョンあたりの費用を示していることと比較すると、CPOの特徴がわかるでしょう。
広告をクリックされ、その後ユーザーが商品の購入やサービスの利用へと進み成約となった場合、得られる費用のことを指します。
CVR
「Conversion Rate」を表すCVRは、転換率と表現することができます。
ウェブページに訪れたユーザーのなかから、どれぐらいの人がコンバージョンに至ったかを数値で表します。
CPC(クリック単価)の仕組みを押さえ、費用対効果を高めることができる広告出稿を検討してみよう
クリック単価のことを示すCPCは、ウェブの検索結果に表示されている広告部分をクリックするごとに発生する費用のことを指します。
広告を出稿する会社にとってはユーザーにクリックしてもらうためのタイトルやディスクリプションを慎重に決めることが重要です。
そのために細かく分析することが必要であり、CPCをはじめとしたウェブ用語にも目を通しておくことが大切と言えます。
広告出稿したページが多くのユーザーの目に留まるよう、一つひとつ丁寧に作業を進めていきましょう。