「キュレーションメディアとキュレーションサイトって何?違いはどこにあるの?」
「キュレーションサイトの役割やメリットについて知りたい」
「キュレーションサイトにおいてSEO効果は期待できるの?」
ここではキュレーションメディアとキュレーションサイトについて、上記のようなお悩みを抱えている人や、キュレーションメディアの制作を検討している企業の担当者に向けて言葉の意味や役割、メリットなどについて詳しく解説します。
SEOとの関係性や注意点についても触れていくので、キュレーションサイトをより効率よく運用していけるよう参考にしてください。
Contents
キュレーションメディアとは
キュレーションメディアとは、インターネット上にある膨大な情報を特定のテーマに絞りながら取捨選択や整理を行ない、より新しい価値を提供しているメディアのことです。
キュレーションメディアの他にキュレーションサイトという言葉もありますが、呼び方が違うだけでどちらも同じ意味を指しています。
様々なジャンルのキュレーションメディアが登場しているなか、有名なものをいくつかご紹介しましょう。
- Gunosy(グノシー)
- Smart News(スマートニュース)
キュレーションサイトの意味
キュレーションサイトは、「curation」(収集、整理、公開)という言葉からきています。
そもそもは、美術館や博物館の学芸員を意味する「curator(キュレーター)」が語源です。
ウェブ業界では、人の手で情報やコンテンツを収集・整理し、新たな価値や意味を付与して共有するという意味になります。
所有するという意味からオウンドメディアの一種になるともいえるキュレーションサイトですが、オウンドメディアを企業ブログと解釈する場合は分けて考えるのが一般的です。
オウンドメディアが自社が企画したコンテンツを発信するメディアであるのに対し、キュレーションサイトは他社サイトの情報を収集・整理して発信するメディアになります。
キュレーションメディアの役割
キュレーションメディアの役割とは、情報を整理整頓し、価値のある内容を選定した上でユーザーが関心のある情報を効率的に提供することです。
検索エンジンだけでなくSNSなどからも情報を入手できる昨今、自身が欲しい情報だけを調べたり集めたりすることに面倒を感じている人も多いでしょう。
キュレーションメディアは情報が分かりやすくまとまっているので、ユーザーは自身が興味のある内容についてスムーズに情報収集することができるのです。
膨大な量の情報が存在するなかで、ユーザーが求めている情報を効率よくチェックできるのがキュレーションメディアです。
要約された情報が配信されているのでユーザーは内容を理解しやすく、一から調べるという時間が不要になるので時間を有意義に使えるようになります。
キュレーションメディアの収益化の仕組み
キュレーションメディアは、サイトへのアクセス数を増やしていくことができれば収益が期待できるようになります。
主に、以下に挙げる4つの方法でキュレーションメディアの収益化が可能です。
主な収益獲得方法 | 内容 |
---|---|
自動広告 | バナー広告や記事広告、サイドバーや記事の途中など、ユーザーの目に留まりやすい場所に配置され、成果に応じて広告主から広告料が得られる |
有料課金 | 通常会員は無料だが、プレミアム会員なら月〇〇円など、ユーザーから直接収益を得る仕組み |
成功報酬 | キュレーションメディアが仲介者になり、取引が成功した際に報酬を得るという仕組み |
商品販売 | 記事で取り上げた製品を自社で販売し、売り上げに繋げる |
キュレーションメディアで扱われることが多いコンテンツ
キュレーションメディアでは、分野が特定されないところが特徴です。
どのようなテーマであれ、それに合った内容の情報を集めてくれば良しとしています。
しかし、ただ多くの情報を集めるだけでは収益に繋げることが難しいので、順を追ってキュレーションメディアで扱うコンテンツを検討していきましょう。
たとえば、ジャンルを絞らず日常的な情報を集めて配信する方法があります。
SNSやブログなどからも情報を集めて、より多くの信頼できる情報をユーザーに発信できるようにしていくものです。
また、特定のテーマに特化したキュレーションメディアも、今では数多く存在しています。
美容や健康に関するものや旅行に関するものなど色々なテーマがあり、私たちの生活に身近な内容も多いです。
キュレーションメディアのメリット
キュレーションメディアは、ユーザーが時間をかけずに必要な情報を入手できる場所です。
そして運用する側として、キュレーションメディアには次のようなメリットがあります。
低コストで運用できる
キュレーションメディアは、低コストで運用していくことができます。
無料で利用できるWordPressなどを使って作られているキュレーションメディアも実際にありますし、最低限のコストで気軽に取り組めるところがメリットと言えます。
よって、予算が限られている企業やベンチャー企業にとっても立ち上げやすいサイトと言えるでしょう。
サイトへのアクセス数を増やせる
キュレーションメディアを立ち上げて運用していくと、サイトへのアクセス数も増やしていくことができます。
多くの記事をスピーディーに更新していくため、サイトの順位を高めたいというSEO対策としても嬉しい効果が期待できるでしょう。
狙ったキーワードで検索エンジンにおいて上位に表示されると、サイトのアクセス数が増えていきます。
作成しやすい
新たに一からサイトを立ち上げるより作成しやすい点も、キュレーションメディアのメリットといえます。
記事は、どんどん書いて投稿していけば良いので、思い立ったときにすぐに始められます。
専門知識が不要なテーマを扱っているサイトなら、どんどんページの量産をしていくことができるでしょう。
サイトを作成した経験がない、SEO対策に初めて取り組むなど、サイト運営やコンテンツ配信に不慣れな場合も、キュレーションサイトなら立ち上げやすいです。
多くのユーザーにアプローチできる
キュレーションメディアでは、多くのユーザーにアプローチすることができます。
疑問点を解決したいと考えているユーザーにとって、お金や時間をかけずに解決できる方法はとても助かります。
さらに、サイトを運営する側もより多くのユーザーと接点を持つことができるという点もメリットと言えるでしょう。
運用するだけでSEO対策になる
検索エンジンの一つであるGoogleでは、情報の更新頻度が高いサイトをより上位に表示させようとする傾向にあります。
キュレーションサイトで頻繁に記事を配信していくことは、検索結果で上位に表示される確率が高まるということです。
キュレーションサイトを上手に運用していくこと自体がSEO対策となり、さらに多くのユーザーが訪れるメディアとして注目されるようになります。
キュレーションメディアの作成方法
キュレーションメディアのメリットを押さえた次に、実際の作成方法について見ていきます。
サイトのコンセプトを決める
最初に、どのようなキュレーションメディアにするのかというサイトのコンセプトを決めましょう。
具体的には、以下の点に注目しながらサイトのコンセプトを決めていくのがおすすめです。
- サイトで取り扱うテーマ
- ターゲット層
- サイトのプラットフォーム(アプリも配信するかなど)
- コンテンツの配信の仕方
自社のデータだけでなく、競合サイトやメディアの調査も行ないながら、サイトのコンセプトを決めてみてください。
サイトを立ち上げる
コンセプトが決まったら、サイトを立ち上げます。
キュレーションメディアでは日々記事の作成や投稿が必要になるので、更新しやすいシステムを揃えておきたいです。
プログラミング言語が分からなくても管理画面から操作できるWordPressのようなCMSを利用すれば、専門知識がなくてもサイトを立ち上げやすいでしょう。
キュレーターやライターを集める
次に、キュレーターやライターを集めて、キュレーションサイトに継続的に記事を投稿できる体制を整えます。
予算や社内で対応できる範囲などを確認し、キュレーターやライターを集めていきましょう。
合わせて、メディアの成果を分析したりコンテンツの内容を決めていくプロデューサーなども決めておくと、より順調にサイトを運営していくことができます。
キュレーションメディアの運営を続ける
サイトの立ち上げが完了して体制も整ったら、実際にキュレーションメディアを運営していきます。
継続的に記事を配信し続けることが重要なキュレーションメディアですが、あらかじめ設定した目的や目標を到達できているか成果を確認し、分析していくことが必要です。
たとえば、次のような点について、ツールを活用して数値を出し、分析してみましょう。
- 検索結果でどの位置に表示されているか
- クリック率はどれくらいか
- サイト内コンテンツの回遊率が低くなっていないか
キュレーションメディアでSEO対策も始めていきたいとなれば、立ち上げた後の分析も続けていかなければなりません。
キュレーションメディアとSEOに関する注意点
メリットが多いキュレーションメディアですが、その一方で運用していく際の注意点もあるので確認しておきましょう。
キュレーションメディアとSEOに関して、いくつか注意点をまとめました。
記事の品質が下がらないように気を付ける
キュレーションメディアは、日々多くの情報を集めてそれらを配信していきます。
しかし、ただ情報を集めただけでは他のライバルメディアと差をつけることができません。
訪れたユーザーが、読んでよかった、他のサイトには載っていない情報があったなど良い経験ができるようにしていくべきです。
そこで、サイト内で配信する記事の品質が下がらないよう意識していきましょう。
専門知識のないライターが書いた記事などは、質の低い記事であるとみなされる場合があります。
このような記事が増えていくと、キュレーションメディアの品質も下がっていくことになり、結果的にユーザーが離れてしまいます。
常にユーザーを満足させられるよう、記事の質に力を入れていくことが大切です。
誤った情報を発信しないようにする
キュレーションメディアでは、誤った情報を配信しないように注意しましょう。
誤った情報がそのまま配信されると、ユーザーからの信頼を損ねることになり、検索エンジンからの評価も下がることからSEOにも影響が及ぶ恐れがあります。
新しく記事を作成するときだけでなく、リライト時にも注意が必要です。
記事をリライトしたことで誤った情報が含まれてしまう場合があるので気を付けてください。
特に、健康やお金などに関するテーマの記事に虚偽があった場合、その記事を読んだユーザーに被害が出る可能性があります。
最終的にキュレーションメディアの運営が危ぶまれるので、配信する情報は精査しましょう。
掲載する情報元が見つかったら、政府が発表している情報など信頼性の高いものを選んで発信していくことを意識してください。
【併せて読みたい記事】
著作権侵害に注意する
キュレーションメディアでは、外部のサイトからの情報を多数掲載する形になります。
このとき、外部リンクとしての記事リンクを貼ることは著作権侵害にはならないので問題ありません。
しかし外部リンクを貼るとき、記事の一部を引用して紹介するケースが多いです。
引用にあたるかどうかを見極める必要があり、判断が難しい部分でもあります。
著作権法32条において引用について定められていますが、この内容を踏まえるとメインはオリジナルの記事であり、必要不可欠なときには引用が認められるとしています。
~著作権法32条~
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない
参照:e-Gov法令検索
具体的に、引用は何文字までならOKという決まりはありません。
正当な範囲内であれば良いとされており、この解釈は引用する側とされる側によって異なってくる場合もあります。
キュレーションメディアで引用に関してクレームがあったときは、要望に応じられるよう体制を整えておくことも重要です。
場合によっては訴訟を起こされることもあるので、法務的な体制もしっかり整えておきましょう。
また、このような引用に関してのトラブルを避けるためには、あらかじめ権利者に許可を得ておいた方が安心です。
ユーザーのニーズを確認する
キュレーションメディアは、どれだけ多くの人に見てもらえるかによってサイトの価値やSEOとしての効果が変わってきます。
そこで、ユーザーのニーズを把握して、ニーズの高いジャンルを選び、キュレーションメディアで記事を発信してみましょう。
立ち上げようとしているジャンルにニーズはあるか、そのニーズに対してユーザーはどんなキーワードで検索しているかなどをリサーチした上で、キュレーションサイトに投稿する記事の内容を選んでみてください。
競合が多いジャンルの場合は、自社がユーザーに対してどのような価値を提供できるかを考え、差別化を図っていけると良いでしょう。
検索エンジン以外からのサイト流入も考える
キュレーションメディアはオリジナリティを出しにくい分、オウンドメディアよりもSEOの効果が得にくいとされています。
検索エンジンからだけの流入では、SEO対策で思うような成果が出にくいです。
そこで、検索エンジン以外のチャンネルも用意して、多方面からの流入を狙いましょう。
その際にぜひ活用したいのが、SNSです。
SNSはスピード感に優れているので、キュレーションメディアと相性が良いです。
SNSで最新の情報を発信してキュレーションメディアへ流入する導線を作ると、サイトのアクセス数が増加し、SEO効果が実感できるようになります。
キュレーションメディアの役割を理解してSEOにプラスになるよう運営していこう
キュレーションメディアとキュレーションサイトの概要から、その役割やメリット、具体的な始め方などについて解説しました。
キュレーションメディアを上手に運用していくと、SEO効果においても嬉しい成果が現れるようになります。
基本の立ち上げ方に加え注意点もよく理解した上で、多くのユーザーが訪れるようなキュレーションメディアを目指していきましょう。