「インハウスSEOって何?SEOとは何が違うの?」
「SEO対策の内製化によるメリットとは?」
「インハウスSEOを正しく進めていくための手順が知りたい」
SEO対策に取り組んで自社サイトの存在をアピールしている企業が増えているなか、インハウスSEOは今もっとも重要視されています。
インハウスSEOを実施すれば、自社にとって大きなメリットを享受できる施策です。
ここでは、インハウスSEOのメリット・デメリットから、具体的な手順などについて解説します。
これからSEO対策に取り組もうと考えている企業のみなさんは、ぜひ参考にしてください。
Contents
インハウスSEOとは?
インハウスSEOとは、外部に委託せずに自社の中でSEO対策を行なっていくことです。
SEOの内製化では、社内におけるウェブの担当者がホームページのSEO対策を実施していきます。
具体的に言いますと、自社のホームページやブログなどでSEO対策を行なう際に、SEOコンサルティング会社に作業を委託・依頼せず、社内の担当者が具体的なSEO対策を進めていくというわけです。
インハウスには、「社内の」「自社で」といった意味合いがあることから、社内でSEOを内製化することをインハウスSEOと呼ぶのです。
インハウスSEOのメリット
インハウスSEOを実施すると、会社にとって様々なメリットが得られます。
メリットの詳細を確認して、インハウスSEOについて検討してみましょう。
自社でSEOのノウハウや経験を蓄えることができる
社内でSEOについてマニュアルを作成し本格的に取り組んでいくと、会社にSEOのノウハウや経験が資産として蓄積されていきます。
ウェブ担当者が変わったときにも支障なく引き継げることで、SEOに詳しい人材を育成することもできるでしょう。
SEOは、長い目でマーケティングを行ないながら戦略を練っていく必要があります。
外部に委託すると、SEOに関するノウハウを自社で身につけていくことができません。
委託先に依存してしまう可能性もあります。
その点、インハウスSEOを実施していくとノウハウや経験が蓄積されていき、自社を成長させることができるのです。
外注費を削減できる
SEOで成果を出すためには、時間と予算が必要となります。
外部に委託すると、社員の時間的リソースは削減できるでしょう。
しかし、委託先に支払う予算が発生してきます。
一方、インハウスSEOの体制を整えておくと、外注の必要がなくなるので費用を削減することができるのです。
コンテンツを制作してもらうのに1本数万円、コンサルティングも依頼すると月々100万円近くの費用がかかってくるでしょう。
インハウスSEOで業務を内製化できると、この外注費を大幅にカットすることができるのです。
情報漏洩のリスクが軽減される
近頃、外部に発注する際には秘密保持契約を結ぶケースが多くなっています。
外部企業に開示した自社の情報を契約内容以外の用途で使用することや第三者に開示することを禁止するという契約です。
インハウスSEOについては、社内の人間のみが関わることになるので情報漏洩のリスクが軽減されます。
周りに情報が漏れにくくなるため、機密性の高いコンテンツや動画などを制作できるのがインハウスSEOのメリットといえるのです。
社内で対応できるのでスピーディー
外部に委託してSEO対策を任せていると、社内の担当者と外注業者とがやりとりをしながら施策を進めていくことになります。
これでは時間がかかりますし、対応も遅くなりがちです。
インハウスSEOの場合はやりとりがすべて社内で完結するので、変更や修正がスピーディーに対応できるところがメリットです。
サイトを改善していきたいときやユーザーの反応を確認したいときなども、素早く対応できます。
スピーディーに対応ができる点は、インハウスSEOの大きなメリットといえるでしょう。
品質の高いコンテンツを制作できる
SEO対策は外注に施策を依頼することができます。
確かに外注先の業者は、SEOに関する知識は豊富ですが、自社の製品やサービス、業種に関する専門家ではありません。
そのため、外注先の担当者によってコンテンツの質に差が出てくることは懸念すべき点です。
これがインハウスSEOであれば、自社の製品について一番詳しい自社の社員がコンテンツ制作に関わるため、質の高いコンテンツに仕上げることができます。
自社がターゲットとする顧客に対して正確な情報をダイレクトに伝えられる、高品質なコンテンツを作ることができるところがインハウスSEOのメリットといえるのです。
継続的に集客が可能
インハウスSEOのメリットには、継続的に集客ができる点が挙げられます。
外注にてSEO対策を任せている場合、トラブルが起きて契約が切れてしまった場合、その時点でSEO対策もストップ状態になってしまいます。
その結果、徐々に流入数が減っていき、SEO対策の効果が薄れていってしまうのです。
このような事態を防ぐためにも、インハウスSEOを実施しておく方が安心です。
SEO対策が途中で止まることなく、社内にいる者で継続した施策を行なうことができます。
インハウスSEOに向いている企業
社内で施策が完結することから、費用や時間の削減をしながら効率よく実施できるインハウスSEOではありますが、どの企業にもおすすめと言えるわけではありません。
インハウスSEOに向いている企業があるのも事実です。
以下のような特徴を持つ企業にとっては、インハウスSEOを実施する意味があるでしょう。
SEOの専任者がいる
インハウスSEOを成功させるためには、SEO専任者が必須となります。
専門的な知識にスピード感をもって対応することが求められるため、SEO業務のみを行なう人が必要となり、他の業務と兼任することは難しいです。
より早く確実に成果を出すためには、兼任ではなく専任でSEO対策を行なう人を用意しなければなりません。
社内全員がSEOの重要性について理解している
インハウスSEOは短い時間で簡単に成果が出るものではありません。
長い時間をかけて、SEOの知識やノウハウを社内で蓄積していくものです。
時間がかかる施策となるため、社内でSEOの重要性について理解・共有してもらうことが大切です。
社内の人に理解してもらえるよう、インハウスSEOのメリットをしっかり発信していきましょう。
インハウスSEOに向いていない企業
インハウスSEOに向いている企業の特徴をご紹介しましたが、以下のような企業の場合はインハウスSEOに向いていないといえます。
- SEO対策の知識や経験が社内にない
- SEO専任者として任せられる人材がいない
- SEOに費やすための予算に余裕がない
- WEBサイトの技術的な問題に対して対応できる人材がいない
- 長期的な投資やリソースを割くことが難しい
自社に人材や予算が不足しているときは、インハウスSEOの実施は難しいと言えるでしょう。
インハウスSEOのデメリット
インハウスSEOにおいてはデメリットについても把握しておきましょう。
自社の体制や環境によって、以下のようなデメリットが挙げられるため確認しておいてください。
SEOに詳しい人材が必要になる
インハウスSEOでは、時間をかけながら少しずつ成果を出していかなければなりません。
このとき必要になるのが、SEOに詳しい人材です。
専門的な知識や経験を持った人材が社内にいれば、SEOの方向性や具体的な施策を進めていくことができません。
新たにSEOに詳しい人材を募集するか、社内で育成していくことになります。
人材の募集や社内での育成には時間がかかり、インハウスSEOを軌道に乗せていくまでにはそれなりの時間を要するのです。
また、社内で人材を確保したとしても、外注するときと比べれば離職率が高いというリスクも伴います。
人材が離職すると、また新たに人材を確保することになるため、施策をしっかり実施していくまでに多くの時間がかかることになるのです。
自社に合ったコンテンツライター・編集者を確保しなければならない
インハウスSEOでは、自社に合ったコンテンツライターや編集者を確保するのが難しい場合があります。
ライターや編集者の質は、自社のコンテンツの質に直結します。
人材の確保ができなかったり、ライターに企業イメージを理解してもらうことに時間がかかってしまうことも考えられるため、インハウスSEOを計画的かつ効率的に進めていくのが困難なことがあるのです。
人件費が発生する
社内でインハウスSEOのための人材を育成するにはそれなりの時間を要します。
すでに在籍している社員に知識を得てもらう他、新たな人材を採用するケースもあるでしょう。
このような状況から、インハウスSEOでは人件費がかかる恐れがあるので注意してください。
費用対効果が適しているといえるか社内で検討を重ね、自社にとって最適なSEO対策の方法を考えていくべきです。
最新情報のアップデートが疎かになってしまう
インハウスSEOでは、自社でSEOに関する情報を収集することになります。
SEO対策をより確実に実施していくためには、常に最新の情報をアップデートしておくことが求められます。
ウェブマーケティングに関する情報を入手し、その内容に沿って更新しておかなければなりません。
SEOのプロである外注先業者であれば最新の状況を確認しながらアップデートをしてくれますが、インハウスSEOではSEOに関する最新情報を常に収集・更新する時間が確保できない、SEOに詳しい人材が不足しているなどしてアップデートが疎かになりがちです。
【合わせて読みたい記事】
社内の理解を得るための研修や報告が必要
インハウスSEOのデメリットには、社内の理解を得るための研修や報告が必要な点が挙げられます。
SEOは、ユーザーの行動を分析したりアルゴリズムを確認しながら成果を図っていくものです。
どのような施策を行なえば効果が現れるか断言することが難しいため、社内での理解を得にくいことがデメリットとして挙げられます。
成果が出るまでに時間がかかるものですが、短い期間で成果を出すよう要求される場合はさらに理解を得ることが難しくなるでしょう。
社内の理解を得てインハウスSEOを進めていくためには、定量的な仮説を立てて社内での研修や定期的な報告をすることなどが求められます。
インハウスSEOを成功させるためのポイント
インハウスSEOを成功させるためにはどのような点に注目すれば良いのか解説します。
インハウスSEOを支援してくれるコンサルタント会社を選ぶ
インハウスSEOを始めるにあたっては、インハウスSEOを支援してくれるコンサルティング会社を選ぶことから始めましょう。
自社がそれほどSEOに詳しくない場合はSEOに詳しい専門家にアドバイスしてもらわなければなりません。
そのようなときに信頼できるのが、インハウスSEOを支援してくれるコンサルティング会社です。
SEOに関する専門的な知識をもとに的確にアドバイスしてくれるので、それに沿ってインハウスSEOを実施していくことができます。
コンサルティング会社からもらったアドバイスをもとに施策を行なっていくと、どのような施策を実施すれば検索順位が上がるのか、確かに検索流入が増えている、などの成功体験が増えてSEOの知識も社内に蓄積されていきます。
何をすれば結果につながるのかが見えてくるようになるので、インハウスSEOで成果を出しやすくなるでしょう。
リサーチを徹底的に行う
インハウスSEOを成功させるためには、リサーチを徹底的に行なうことが欠かせません。
SEOに関する知識だけでなく、生じた疑問や問題に対して素早く対処できるというリサーチ力も必要になってきます。
問題の原因を分析し、改善していく方法を探し出せる場合、インハウスSEOは成功させやすくなるでしょう。
ユーザーファーストを忘れない
インハウスSEOを成功させるためのポイントとしては、常にユーザーファーストを忘れないことです。
質の高いコンテンツを発信し続けていかなければならないなか、必要不可欠となるのがユーザーが求めている答えを提示することです。
どのようなキーワードに対しても、ユーザーのことを第一に考えて回答を示す必要があります。
ユーザーファーストの心を忘れず、コンテンツ制作に取り掛かることで、インハウスSEOの成功につなげていくことができるでしょう。
定期的なリライト
インハウスSEOを進めていく際、コンテンツの数が増えてくるとそれで満足しがちです。
しかし、その間に競合企業が順位を上げてくる可能性があるため、自社サイトの状況をチェックして定期的にリライトすることを心がけたいです。
つい新しい記事を作ることに注力しがちですが、リライトを意識して実践することでインハウスSEOを成功に導くこともできるのです。
コアアルゴリズムアップデートの把握
Googleのコアアルゴリズムは常に変化をし続けているので、そのタイミングと内容を理解することが求められます。
Googleの公式サイトなどで公表される内容を確認して、公開されているアルゴリズムの内容を把握しておきましょう。
インハウスSEOを効率よく実施していくためにも、コアアルゴリズムアップデートの詳細を知っておくことは重要です。
参照:Google 検索セントラル Google 検索のコア アップデートとウェブサイト
インハウスSEOを成功させるための正しい手順
インハウスSEOを始めていくにあたって、どのような業務が必要となるのか流れを理解しておきましょう。
業務内容には様々なものがあるため、一つずつ確認して作業を始めるようにしてください。
ペルソナやコンセプトの設定
自社に合うインハウスSEOを効率よく進めていくためには、ペルソナやコンセプトを細かく設定しておくことが大事です。
ペルソナをもとに自社が発信していくコンセプトや内容を決めておくと、発信する内容にブレが生じなくなるのでおすすめです。
KPI設定
KPI設定とは目標設定のことで、自社のサイトが抱える悩みから目標を考えていきます。
どれくらいのユーザーに商品やサービスを利用してもらいたいのか、サイトに訪問させたいユーザーの数は何人くらいかなど、細かく目標を決めましょう。
目標を設定しておくと、それに向かってどのような業務をすべきなのかが見えてきます。
KGI設定
KPIは目標設定のことを意味していますが、KGIは事業達成目標を意味しています。
仮説を立てるのが難しいSEOでは現れる成果も変動するため、KGIでは営業活動も含めた成約数の増加を設定しておきましょう。
月ごとの記事の作成本数やユーザーのセッション数、CV獲得などを細かく設定していき、インハウスSEOを実施していきます。
予算確保のための説得
続いて、インハウスSEOでは予算を確保するための社内折衝が発生することがあります。
社内の課長や社長などに相談をし、設定した目標や意気込みなどを伝え、許可を得ましょう。
KPI設定が完了した次に社内折衝へ進み、インハウスSEOを進めていくために必要な予算について説得する必要があります。
社内折衝により社長などから予算に関する許可が下りると、具体的な施策に取り掛かることができます。
インハウスSEOは、長期的に施策を行ない効果を測定していくものです。
短い期間で成果を求められる際は、予算が承認されないこともあります。
SEO施策を行なうことでどのような成果が期待できるのかをシミュレーションして具体的に提示すると、経営陣からの理解も得やすいでしょう。
検索エンジンの仕組みを理解する
検索エンジンの仕組みを理解することを忘れないようにしましょう。
Googleの検索順位は様々な仕組みによって決まっています。
ツールを使ってリサーチや分析を行なっていくなかでGoogleについての知識を得ておけば、より効率よくインハウスSEOを実施していくことができるのです。
SEOツールの導入
コンテンツを作成するために、競合を分析するツールや検索順位を測定するツールがあり、より良いコンテンツを作り上げて発信していく場合にはツールの使用が欠かせません。
なかには有料ツールの導入を検討しなければならないこともあり、社内で共有・検討しておくべきです。
導入しておくと便利なSEOツールを、いくつかご紹介しておきましょう。
- Googleキーワードプランナー
- Googleサーチコンソール
- Googleアナリティクス
- ラッコキーワード
サイトの改善
多くのユーザーの目に留まり訪問してもらえるようなサイトを作り上げていくため、HTMLタグや内部リンクの最適化を行ないましょう。
また、スマートフォンでも見やすくなるようモバイルフレンドリーに対応させることを忘れないようにしてください。
サイトの改善を図っていくためには、以下のような業務が発生してきます。
- 既存情報の更新
- 既存記事のリライト
- 不要なページの削除
- ページ表示スピードの改善
- サイトのデザインを設計
サイトの改善を行なうことは、インハウスSEOにおけるメインの業務内容といえます。
コンテンツの制作
サイトの改善を図りながら進めていきたいのがコンテンツの制作です。
自社に合ったターゲットキーワードを設定して、ユーザーの検索意図を考えながらコンテンツを作っていきます。
記事の質や信頼性を意識しながら、ユーザーが満足できるようなコンテンツを作っていきましょう。
これからコンテンツの作成に入る場合は、次の順番で作成していくと良いです。
- ロングテールキーワード
- ミドルテールキーワードからロングテールキーワード
- ミドルテールキーワードからビックキーワード
被リンクやサイテーション施策の実施
コンテンツを制作するとき、被リンクやサイテーションなどの外部施策にも注目しましょう。
サイテーションとは、サイト名や会社名、ブランド名、店舗名などが他サイトに書かれることを意味しています。
SNSなどを使って日ごろから情報を発信していくとサイテーションされやすくなります。
被リンクは、外部のサイトから自社に向けてリンクを獲得するという施策です。
SEOでは重要な指標とされており、被リンクを獲得するため信頼性や専門性、独自性のあるコンテンツを作成し続ける必要があります。
コンバージョン率の最適化
サイトの改善やコンテンツ制作に取り掛かりながら、コンバージョン率の最適化を行ないましょう。
ユーザーの年齢や性別などからターゲットを絞って、キーワードを選びます。
その他、コンテンツの内容がわかりやすくなるよう画像を挿入したり、入力フォームの最適化などを図ってみましょう。
ユーザーがサイトを利用しやすいような作りを心がけ、サイトからの申し込みや問い合わせにつながるようにしていきます。
インハウスSEOを実施していく上での注意点
以下のような特徴のコンテンツはインハウスSEOの成果が上がりにくいとされているため気を付けてください。
- 自社製品や自社の良いところを全面に主張したコンテンツ
- 商品やサービスを紹介するコンテンツで、競合他社を比較紹介していない記事
- HTMLタグが最適化されていないコンテンツ
- 他の記事をまねて作られたようなコピーコンテンツ
ユーザーの課題を解決するためという大きな目的から逸れないよう、コンテンツの内容を意識していきましょう。
インハウスSEOを実施することが難しい場合の対処法
インハウスSEOを自社内だけで実施するのが難しいと感じる場合は、一部を外注する方法があります。
会社によって異なりますが、コンテンツ制作の知識がある際は内部対策や外部対策をSEO業者に依頼するなど、対応できない部分を任せることも可能です。
自社で対応できる部分はインハウスで対応していく、リソースが不足している部分は業者に任せることで効率よくインハウスSEOを進めていくことができます。
度合いを決めて内製化を行ない、社内でのSEO対策を進めていくことが大事です。
インハウスSEOは自社にとって強みになる!正しく実施して自社をPRしていこう
自社の存在や製品・サービスをアピールしていくためにはSEO対策が有効といえます。
しかし、すべての作業を外注先に依頼するとコストがかかり、トラブルが起きたときにSEO対策について自社が対処しきれません。
そのような事態を避けるため、コストを抑えて自社の中で対策を取っていくために実践したいのがインハウスSEOです。
インハウスSEOの魅力や具体的な方法を押さえて、自社にとっての潜在顧客であるユーザーに対して製品をアピールしていけるようにしていきましょう。