いざサイトを立ち上げ運営をしていくとき、デザインやコンテンツの構成、記事の執筆などやるべきことがたくさんあります。
そのようななかでも、実は重要となるのがサイトスピードです。
今回はサイトスピードについてどのようなものなのか、SEOには影響があるのかなどについて詳しく解説します。
サイトスピードを改善していく方法についても記載していくため、よりユーザーにとって快適なサイトを目指すため実践してみてください。
Contents
サイトスピードとは?
サイトスピードとは、どのような意味を示すのでしょうか?
シンプルにまとめると、ウェブページがどれぐらいの速さで表示されるかという速度になります。
サイト速度やサイト表示速度といった呼ばれ方もされます。
ユーザーがウェブページにアクセスしたときの、ページが表示されるまでの速度を示しており、1秒や2秒などの時間で表現されることが多いです。
サイトスピードは、サイトのコンテンツやデザインなどに比べると見落とされがちですが、SEOの観点などから見ればとても重要なのです。
なぜサイトスピードが重要なのかは、次の項目で解説します。
サイトスピードが重要な理由
ユーザーがアクセスしたウェブページが表示されるまでの速度を、サイトスピードと呼ぶことがわかりました。
では、なぜサイトスピードは重要とされるのでしょうか?
サイトスピードが重要な理由について、以下にまとめていきます。
SEOに影響を与える
自サイトを立ち上げるとき、多くの人がSEOを意識して作成することでしょう。
多くのユーザーの目に留まり、自社の商品やサービスが注目されることを狙い、SEO対策を行ないます。
このSEOを意識してサイトを作り上げていく際に、サイトスピードは重要といえるのです。
実際に、サイトスピードが遅いと、検索順位が下がる恐れがあるとも言われています。
Googleも、「Speed Update」と呼ばれるアルゴリズムの更新を行ない、サイトスピードが検索順位に影響を与える可能性があると述べました。
このアップデートの際には、魅力的なコンテンツであれば上位表示される可能性もあると発表されましたが、少なからずSEO対策に影響を与えるといえるでしょう。
サイトスピードは、ユーザーにとっても快適さにも大きく影響を及ぼします。
知りたい情報をいかに早く入手することができるかが、ウェブ上では重要視されます。
気になるサイトが見つかったけれどなかなか表示されないという場合、ユーザーはサイトから離脱して違うサイトを閲覧するでしょう。
サイトスピードは、ユーザーが快適にサイトを閲覧できるかという点においても重要といえるのです。
さらに、サイトスピードが遅いことで、正しくクロールされず、インデックスされないという事態も起こり得ます。
SEO対策を行ないユーザーからサイトを見つけてもらうためにも、サイトスピードは外せないポイントといえるのです。
ユーザーにとっての使いやすさ・快適さに直結する
サイトスピードが遅い場合、ユーザーにとってはいつまで経ってもページが表示されず、困惑してしまいます。
ユーザーのなかには、いら立ちを感じる人もいるでしょう。
サイトスピードが遅いことでユーザーにとっての使いやすさや快適さが損なわれてしまいます。
いつまでも表示されないページを待っているよりは、すぐに表示されるサイトを見た方が早いと、ユーザーが自サイトを直帰してしまう恐れもあります。
実際のGoogleの調査においても、サイトスピードが1秒から3秒に低下することで直帰率が30%ほど上昇するという結果が出ています。
1秒から5秒、1秒から7秒などとサイトスピードが低下するにつれ、ユーザーの直帰率はどんどん下がっていってしまうのです。
直帰率が高いサイトでは、ユーザーのアクションを期待することができません。
その結果、自社の商品やサービスが認識されない、売り上げが伸びない・・・などの悪循環へと陥ってしまいます。
できるだけ長くユーザーにサイト内に留まってもらえるよう、早くページを表示して情報を提示することが大切なのです。
GoogleChromeに低速サイトと認識されてしまう
サイトスピードは、ユーザーのサイト離れやSEO対策においても重要な点となっています。
さらに、サイトスピードが遅いことで、GoogleChromeから「低速サイトである」と判断されてしまう可能性もあるので注意が必要です。
2019年、Googleはサイトスピードが遅くなる場合はその旨をユーザーに伝えると示唆しています。
また、読み込みの速度が速いサイトと遅いサイトとを見分けるために、バッジをつける可能性があることについても触れています。
低速サイトであるとバッジを貼られてしまったサイトは、ユーザー離れを招いてしまうでしょう。
このように、サイトスピードはGoogle側からも低評価を受ける可能性があるのです。
サイトスピードを確認する方法
サイトスピードは、自サイトを多くのユーザーに認知してもらい、企業やサービスを成長させていくために欠かせない要素であることがわかります。
Googleからの評価にも影響が出る恐れがあるため、サイトを立ち上げる際にはページの表示速度にも注意したいです。
そこで、ここではサイトスピードを確認する方法についてご紹介します。
いくつかツールの種類があるため、自身に合った見やすく使いやすいものを見つけてみてください。
PageSpeed Insights
初めて自サイトのページ表示速度を確認したいとき、簡単に使うことができ便利なのが「PageSpeed Insights」です。
ページの上部分にある欄の中にサイトスピードを確認したいページのURLを入力します。
その後、分析ボタンをクリックするだけで、入力したサイトのサイトスピードを確認することが可能です。
パソコン上での表示速度だけでなく、モバイル版での表示速度も確認できるため、自サイトのSEO対策を考えるときにも活用できます。
分析結果はいくつかの項目にて表示されており、たとえばFPCであれば、サイトのテキストや画像が最初に表示されるまでにかかった時間を秒単位で示しています。
FIDという項目はユーザーがサイトをクリックしてからページが表示され、ブラウザが使用可能となるまでの速度を表しています。
こちらは、ミリ秒単位で表示されます。
その他にも、速度インデックスやFMP(ユーザーがメインコンテンツが表示されたと判断するまでの時間)などがあり、これらの項目をまとめてスコアとして表示します。
細かい分析をもとに、結果は「速い」「普通」「遅い」の3段階で評価されます。
さらに、サイト内のどのページの表示速度が速いのか、また遅いのかなども確認することが可能です。
50点や60点といったスコアで表示される「PageSpeed Insights」ですが、50点以上を取れていたら世界に存在する半数のページより速度が速いといえます。
「PageSpeed Insights」では速度測定後、改善する必要がない項目に関しても一覧にて教えてくれます。
合格した監査の一覧に載っている項目が多いほど、サイトスピードが速く優秀なサイトといえるのです。
Google Analytics
Google Analyticsによっても、サイトスピードを確認することができます。
PageSpeed Insightsが1ページごとの表示速度しか測定できないのに対し、Google Analyticsはサイト全体のサイトスピードを測定してくれます。
さらに、設定をした期間に合わせて、日ごとや月ごとに速度評価を確認できるのもポイントです。
Google Analyticsのホーム画面から「行動」に入り、「サイトの速度」という欄から「概要」を開きます。概要にて、日ごとや月ごとなどのサイトの平均読み込み時間を確認することができます。
Chrome DevTools
オフライン環境であっても計測できるのが、Chrome DevToolsです。
Chromeブラウザの検証ツールとなっており、サイトスピードを点数化するだけでなく、SEO対策に関するスコアも表示してくれます。
サイトを作成している途中段階でサイトスピードを確認したいというときにも活用できる、便利なツールです。
GTMetrix
GTMetrixは、国内外にて多くの人に利用されている表示速度計測サイトです。
表示速度の結果はグレードが表示される仕組みになっており、さらに計測結果をPDFで保存できるため、自サイトの改善を図るときに役立てることができます。
サイトスピードを改善するには?
サイトスピードを確認するためのツールにも種類があり、わかりやすいツールを活用することでサイトのページスピード改善を図ることができます。
では、ツールを利用し自サイトのサイトスピードが遅いと判定された場合、次にどのような対策を取れば良いのでしょうか?
ここでは、サイトスピードを改善するための方法についてまとめていきます。
画像ファイルの圧縮
少しでも早く自サイトを表示するためには、画像ファイルに注目することが大事です。
画像ファイルはサイズの大きなものも多く、画像の関係でサイトの読み込みが遅くなっている可能性もあります。
サイト内に画像を貼り付けるときは、ファイルの圧縮を行なうと良いです。
画像ファイルはツールを使って行なうことができるため、使い方を抑えると簡単に処理が可能です。
PhotoshopやCaesium、Squooshなど様々なツールがあるため、ツールの特徴や使いやすさなどを比較し、選んでみましょう。
画像形式を適切に使い分けることも大切
画像形式には、jpgやGIFなど様々な種類があります。
そこで、自サイトに使用する予定の画像に、適切な画像形式を用いることが重要となります。画像形式を使い分けることで容量を最適化することが可能です。
画像形式の種類ごとに特徴を記載するので、サイト内に画像を用意する場合は参考にしてください。
画像形式 | 特徴 |
---|---|
JPG | 写真に使われることの多い形式。色数が多い画像に適している。 |
GIF | ロゴやイラストなど、色数が少ない画像に適している。 |
PNG | 写真と背景を透過したいときに使用することが多い形式。写真でPNGを使うと容量が大きくなってしまうため要注意。 |
画像の形式に注意しながら対策を取ると同時に、最初のページの読み込み速度を上げるため、画像を後から読み込ませる「遅延読み込み」という方法も有効です。
本来表示したい画像の前に、ダミー画像を用意しておきます。
その後、時間差で本来表示したい画像を読み込ませるという方法になり、サイトスピードを改善したいときに活用することができます。
画像にWebPを使用する
WebPとは、Googleが開発している静止画の画像フォーマットになります。
元ある画像の画質を大きく損なうことなく、ファイルサイズを軽量化できるため、自サイトに載せたい画像を調整することが可能です。
Googleが推奨している画像フォーマットにもなるため、ページスピードを改善していきたいときには検討してみると良いでしょう。
先述したページ速度を計測するためのツール「PageSpeed Insights」においても、ページスピードに関係してくる項目として挙げられているため、画像フォーマットの調整は重要といえます。
サーバーの応答時間を改善
ウェブサイトが設置されているサーバー側の調整を行なうことで、ページスピードの改善を図ることも可能です。
表示されたページ表示速度をもとに改善を行なったけれど変化がないという場合は、サーバー側に問題がある可能性が高いです。
サーバーの管理者に相談する、レンタルサーバーのサービスを乗り換えるなどして、応答時間を改善できる環境を作ってみましょう。
使用していないCSSは削除する
サイトの見た目に大きく関係しているCSSの整理を行なうことで、ページの表示速度が改善する場合もあります。
サイト内でページを更新していくたびに、レイアウトや文字のフォントを変えるなどの対策を行なうこともあるでしょう。
その際、不要になったCSSを削除せずそのまま置いていると、サイトスピードにも影響が及びます。
ページの読み込み時にはすべてのCSSを読み込んでしまうため、負荷を減らすためにも不要なCSSは削除しておくと安心です。
テキスト圧縮の有効化を行なう
ウェブページを読み込む際、ページを構成している様々なデータが圧縮されていないことで指摘される恐れがあるため、テキスト圧縮の有効化も行なうと良いです。
ウェブページをそのまま表示しようとしたときに容量が大きくなってしまいます。
容量が大きくなることから、gzipなどの圧縮に対応しているブラウザがほとんどです。
サイトスピードを意識する際には、gzipでのテキスト圧縮も試してみましょう。
フォントの見直しと調整
画像やテキストの圧縮など、サイトスピードを改善するためには様々な方法があります。
ページの表示速度を速めるための対策にはまだ種類があり、フォントの見直しと調整も確認しておきたいです。
画像ファイルと比べるとサイトスピードへの影響は少ないものの、ページに使用しているフォントもページの表示速度と関係しています。
Googleでは、1ページあたりの容量として1.6MBを推奨しています。
フォントや文字の装飾があることでサイトが見やすくなるのも事実ですが、装飾を多く施すことで容量が重くなってしまいます。
たとえば、欧文フォントは軽く、和文フォントは重いと言われることもあり、フォント一つでサイトの重さも変わってくるのです。
和文フォントに関してはサブセット化によって軽くすることができるため、欧文フォントしか使用できないというわけではありません。
和文フォントをサブセット化するための専用ソフトがいくつかあり、軽量化したいフォントを入力することでサイト内の文字を調整することができます。
サブセットフォントメーカーとwoffコンバータという2つのソフトをインストールし、フォントのサイズの軽量化を図っていきます。
JavaScriptの位置を調整
ウェブページにJavaScriptを利用している場合は、JavaScriptを最適化することでページの表示速度を上げることができます。
JavaScriptをHTMLの近くにまとめる方法がおすすめです。
HTMLの途中にJavaScriptがあることで、JavaScriptを読み取るためにページの読み込みを一時中断してしまいます。
HTMLの途中にJavaScriptが多く挟まっていると、その分ページが表示される速度は低下します。
ページの表示速度を少しでも早めたいと考えるときは、JavaScriptの位置にも注目してみてください。
サイトスピード改善の施策後、どれくらいの期間を検証すれば良いか
サイトスピードを改善するための方法には、様々なものが挙げられます。
自サイトのページ表示速度を確認することから始め、サイト内の何がサイトスピードを遅くする要因となっているのかを探ることで、具体的にすべき施策が見えてきます。
その施策も一通り完了した後は、一定期間様子を見ておく必要があります。
SEOの効果がすぐには上がらないのと同じく、サイトスピードの改善後もしばらく経過を観察することが重要です。
施策後、半年~1年ほどを見積もり、サイトスピードが改善されたか、検索順位に結果として現れてきたかなどを確認しましょう。
サイトスピードを改善し、ユーザーに響くようなSEOに強いサイトを目指そう
SEOを意識しサイトを作成していくなかで、ページが表示されるまでの速度を示すサイトスピードはとても重要な存在です。
すぐにページが表示されることで、ユーザーは安心してサイトを読み進めてくれるでしょう。
反対に、空白のまま次のページが表示されないとなると、戻って別のページを開いてしまうはずです。
サイトスピードの重要性を理解し、まずは自サイトのページ表示速度を計測することから始めましょう。
そのうえで実際の対策に移していくと、ユーザーに響く、SEOにも強いサイトへと改善していくことが可能です。